カワサキZ1エンジンフルオーバーホール作業10 未分類 Facebook LINE コピー 2018.04.07 2018.02.25 カワサキZ1エンジンフルオーバーホール10 組み付け前のクランクケースの最終チェックです。 シリンダーを下から見たところ。シリンダー下面にひずみ、曲がりなどでていることもあり、修整することもあります。また、過去に分解の履歴がありその際に下面に深い傷が入っていることがあります。それはその都度修理してオイル漏れしにくいようにします。 シリンダーです。ライナーも打ち替え済みで、内部にオイル漏れ対策のオーリングを埋め込んであります。ライナー打ち替え後はライナー上面とシリンダーの上面の高さに違いができるので、上面の面研を行います。面研などを行いシリンダーの高さが不足すると(シリンダーが短くなる)JBピストンやコスワースピストンでは、圧縮比が高くなりすぎるのでその場合はベースガスケットを厚いものにして圧縮比を調整します。中央の四角い穴はカムチェーンが通る部分です。そのまわりのオーリングの溝は面研などで浅くなりすぎた場合には溝をきりなおします。 先ほどのガイド取り付け部のシリンダー下側。ここの溝がガイドが折れ中で大暴れしてこの部分が大きくなっているものが良くあります。修整するのはかなり時間がかかりますが、治せば問題ありません。ご覧のようにこのシリンダーは綺麗です。 カムチェーンガイド取り付け部のアップ。ここのM6の取り付け雌ネジも傷んでいるものがあります。またカムチェーン関連のアイドラーのシャフトが入る溝がありますが、新品時からこの溝の形状が悪く傾いた状態でアイドラーが取り付けされているものがあります。(テンショナー側も)その場合は修正します。このシリンダーは大丈夫。 これが時々折れてしまっているものがあるカムチェーンガイド。当然新品を使います。 先ほどのカムチェーンガイドを取り付けるボルト。こういう部品はその辺に転がっているステンレスのボルトなどに交換したりしてはいけません。これは新品。 強いタイプのネジロックをつけます。 ガイドを取り付けたところ。できる範囲で斜めになったりしないように、また真ん中ぐらいに来るように組み付けます。もちろん緩まないようにきっちり締めつけます。 下側。 クランクケースの組み付けを行います。これはアッパー側の裏面です。 シリンダースタッドボルトが取り付けられる雌ネジ側です。この写真のようにエンジンの前側の両端が多めにエンジン内部にはみ出している関係からか、やや弱いようで、数は少ないですがこの部分の縦にクラックが入っているものがあります。この部分の修正はできないのでもし見つけたらクランクケース交換となってしまいます。当然このエンジンは大丈夫。 反対側。きちんとチェックします。 同様に他の部分もチェック。 こちらも。 クランクシャフトがおさまる部分。クランクケースはMK2など後期モデルの方が重くなっており、各部肉厚が厚く、強度があげられています。当然クランクシャフト保持などの剛性は高い方が良いのですが、重くなった影響で乗り味、エンジンノイズの聞こえ方も違ってきます。Z1に限りませんが乗っているならそういう強度なども考えて、オーバーレブさせない、ギヤシフトは正確に行う意識があれば各部痛めないで済みます。普通に飛ばす程度では何も起きませんので心配いりませんが、壊れたなら使い方が悪いです。 ピン部のアップ。ここにクラックが入っているとまずいです。クラックが入っていた場合、当社ではクランクケースを交換します。幸いにして車両持ち込みの物以外で入っていたものはありません。少しピンが緩くなっているものもありますが、都度考え対処します。 他のシリンダースタッドボルト取り付け部の雌ネジもチェックします。 ご覧のように全く問題ありません。 このように綺麗になっていないとクラックを見逃してしまうかもしれません。綺麗にするのは大切です。 ミッションがおさまる部分。この部分の締め付けボルトはM6で、今時のエンジンから比べると驚くほど細いものです。Z系は確かに壊れて走行不能になることはほとんどないモデルですが、過信して雑に扱えば全てが頑丈なわけではなく、また内部の各ムービングパーツは全て重いので、レースなどでなければガツンと力が加わるような運転は避けるべきです。 クランクケースアッパー側。シリンダー取り付け面は深めの傷などが入っているものがとても多いです。いかに雑な整備士が多いか解ります。腰上は分解しやすいのでよく開けられた形跡があるのですが、その時に傷つけられてしまっているのです。悪ければ修正します。ほとんど必要がありませんが、時と場合により修整面研を行う場合もあります。シリンダースタッドボルトをこれから組み付けます。 スタッドボルトを取り付けたところ。このボルトの部分からオイル漏れがおこり、シリンダーの部分からオイル漏れがでることもあるので、漏れがでないように丁寧に組み付けなくてはいけません。組み付けには結構かなり時間がかかりますし、力もいるので結構疲れます。オーバーホールするなら必ず交換した方が良い部品です。 カワサキZ1エンジンオーバーホール11に続きます。 エンジンオーバーホール11はこちらをクリック
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